2025/06/13
みなさんこんにちは!今から音楽を始めたい超・初心者のための新宿バンドサークル「おとかぞく」です。
今回はおとかぞくのボーカルレッスンの特徴について7選にまとめて解説させていただきます。
おとかぞくでは歌のレッスンのことを「ボーカルレッスン」と呼びます。他のレッスン教室でやっているようなレッスン内容ももちろんありますが、おとかぞくでは「カラオケレッスン」や「ボイストレーニング」とは呼ばない理由として、他では絶対にやっていないような内容もありますので、おとかぞく加入をご検討の方はぜひご参照ください。
1.とにかく声量アップ!
おとかぞくにご加入の方は基本的にはバンドのボーカルをやることを前提としているため、まずは圧倒的な声量を手に入れることが最優先です。
カラオケのような狭い部屋での細かい技術はバンドにおいては一切関係なくなってしまうくらい生バンドの音量は大きいため、まずは多少乱暴でもいいので一番大きな声を出す練習からスタートします。
目安としては、カラオケを大きめの音量で流しながら、マイクを使わず、歌詞の一文字一文字まで聞き取れる練習をします。
具体的な練習法としては、例えば3人のレッスン生の方が合同の場合、1人が歌っている時に残り2人は歌詞が表示されているモニターを一切見ないようにして、歌っている人だけに注目します。
そして、歌詞が1文字でも聞き取れなかったら手をあげて、その部分をもう一度歌い直してもらいます。
この練習を曲の最初から最後まで止められなくなるまで続けます。
この際、3人で話し合ってお互いに知らない曲を選ぶことがポイントです。知っている曲だと実際には歌詞が聞き取りづらくても自分の記憶と照らし合わせて聞いてしまい、聞こえているような気がしてしまうためです。
できればお互いに歌詞どころか曲のタイトルすら知らない曲を入れると、この練習がより効果的になります。
歌詞というものは聞こえているようで実は全然聞こえていない場合が多いという認識が重要で、ボーカル本人からすれば好きな曲を歌っているので「みんながこの曲の歌詞を知っているはず」と誤解しやすいのですが、お客様の中にはその曲を知らない人も当然います。コピーバンドならまだしも、オリジナル曲などでは誰もその曲を知らないことが前提で、誰も知らない曲で魅了してファンにしていくのが本来のバンド活動です。
さらに、お客様の中にその曲を知っている人と知らない人がいるとして、ターゲットは「知らない人」です。既に知っている人は既にファンなので、知らない人(まだあなたのファンではない人)にこそ歌詞を伝える必要があります。
2.顔の表情筋を動かす練習
歌にとって表情筋の可動域を広げることは非常に重要です。
ここで実際の練習法をご紹介します。
・思いっきり笑顔で「こんにちは!」と言ってみてください
・何の感情も無い真顔で「こんにちは」と言ってみてください
・一番悲しい顔で「こんにちは」と言ってみてください
やってみると分かるのですが、笑顔の時は声も高くなり、「笑顔のこんにちは」になります。顔を見なくても「この人は笑って挨拶をしている」と分かります。
逆に、真顔で言うと「この人は無表情で挨拶をしている」ことが分かります。
それでは次に、
・顔は笑顔で声は真顔の声で「こんにちは」と言ってみてください
・顔は無表情のまま、笑顔の明るい「こんにちは」を言ってみてください
というと、絶対にできないことが分かります。
つまり、顔の表情と声は直結しているのです。笑顔で喋れば笑った声になりますし、真顔で喋れば抑揚のない声になります。
これを歌詞に当てはめながら、ポジティブな場面では笑顔で、怒っている場面では怒った顔で、悲しい場面では悲しい顔で歌うようにすると、声が自然とその表情や歌詞についてきます。
3.ライブ中の目線の動かし方
ライブ中のボーカリストの目線の動かし方は、ライブ全体の盛り上がりに密接に関係しています。
初心者のうちは歌詞を思い出すのに精いっぱいで、頭の中にイメージの歌詞カードを思い描きそれを追いかけるような目線になってしまうため、焦点が定まらずボヤッとした目になってしまいます。
また、ライブ初心者で緊張などしてしまっている場合、多くの方は伏し目がちになり、水平よりも多少下を向いてしまう場合が多いようです。
目線は基本的にはお客様の方を向けば大丈夫ですが、欲を言うとさらに少し上に向けると良いです。
なぜなら、「お客様の方を見る」と言うと大抵の場合、「最前列のお客様の方を見る」と勘違いしてしまうからです。
最前列のお客様というのは多くの場合「既にあなたのファン」か「あなたを応援しに来た知り合い」だからです。
あなたが最前列のファンや知り合いばかり見て、コール&レスポンスなどを楽しんでいると、後ろにいるお客様からは「なんか前の方で身内ノリをやっていて寒いな」と感じてしまいます。
そのため、目線は斜め上くらいを見るようにすると、ちょうど客席全体に向かって歌っているように見えるため、全てのお客様が「自分にも向かっている」と感じることが出来ます。
これに慣れてきたら、今度はその目線の高さのまま、左右に目線を動かして会場全体を見渡せるようにしましょう。
4.マイクを持っていない方の手の動かし方
ボーカリストは基本的にはマイクを持っていない方の手でパフォーマンスや様々な表現をします。
マイクを持つ手に関しては、
・利き手でマイク持つほうが歌いやすい
・利き手と反対でマイク持つ方が、パフォーマンスを利き手で出来る
という2つの考え方があります。
マイクを持っていない方の手は、世界観の表現、お客様とのコール&レスポンス、メンバーへの指示、その他スタッフへのトラブルを伝えたりなど、様々な役割を持っています。
歌詞編:
・「あなた」という歌詞の時にお客様を指さす
・「心を込めて」という歌詞の時に自分の心臓あたりに手を持って行いく
・「おー!おー!」などの掛け声の際に拳を高く突き上げる
コール&レスポンス編:
・お客様の声を聞こうとして耳の後ろに手を添える
・お客様の声を全身に浴びるように両手を広げて上を向く
・手を振ってくれているお客様に手を振り返してあげたり、感謝を伝えたりする
などなど、使い方は数えきれないほど多く存在します。
しかし歌詞を表現する際に、あまりにもジェスチャーで多く多く表現しすぎると「手話」のようになってしまうので、やりすぎには注意しましょう。
5.体の使い方、ノリ方(曲のアクセント理解)
手だけでなく体全体を使ってリズムやノリを伝えるのがバンドというものです。
お客様に「ノってください!」と言いながら自分達は全く動いていないのでは、お客様はノリづらいですしノリ方も分かりません。
例えばブレイクの場面ではメンバー全員がピタッと止まる、倍ノリの場面ではメンバーの動き方が大きく半分になる、また、サビなどでは手をどのように振れば気持ちよいのかを提示するなど、やり方は無限にあります。
曲によっては最初から最後までノリ方が一定のものもありますが、AメロBメロサビとブロックごとにノリ方が違う曲もあるので、メンバーの理解が非常に重要です。
おとかぞくのボーカルレッスンでは、ライブで歌う曲を中心にこのような解釈もお教えしています。
6.MCのトレーニングがある
ボーカルの能力は歌だけでなくMCの場面でも評価されます。次に歌う曲の説明、メンバーの紹介、お客様への感謝などはもちろんですが、笑いを取りに行ってもいいですし、自分のエピソードを話してもOKです。
大事なのは「目的があってそれに沿っているか?」です。
笑いを取りたいのにしんみりしたMCになってしまったり、次の曲の内容をしっかりと伝えたいのにふざけた感じになってしまっては思ったように伝わりません。
まずは「お客様をどうしたいのか?」を決めることで、あなたが演じるべきキャラや喋り方が見えてきます。
ライブでの曲順が既に決まっている場合には、その曲順通りにカラオケで歌い、MCの入るタイミングなども確認します。
そしてお客様の目線に立って「その言葉は伝わりにくい」「もっとこのように言った方がいいかも」などとアドバイスをし、一字一句に至るまでMCを固めていきます。
7.歌詞の意味を理解し、朗読をする
多くの方は歌詞の意味を理解しているようで、実は曖昧なまま歌っている場合が多いようです。おとかぞくのレッスンではまず歌詞をスマホやデンモクなどで表示して、1行ずつ理解を深めます。
・この曲の一人称である「僕」、二人称である「君」とは誰のことなのか?
・何歳くらいで、どのような状況なのか?
・誰に向かって何を歌っているのか?
この他にも季節や場面、二人の関係性などを深く掘り下げます。
例えば、20代の男性が元彼女に向かって歌っている曲で、急にフラれてしまって悲しい状況で、まだ彼女のことが忘れられず思い出の中で苦しんでいるという曲かも知れません。
逆に、10代の女性が片思いをしていて、彼の顔を見るだけで胸が苦しくなってしまう学校帰りの場面を描写した曲かも知れません。
1行ずつ徹底的に場面や気持ちを理解し、次に行うのは朗読です。
小学校の頃に国語の本を朗読したように、心を込めて歌詞を朗読します。この時、歌詞の通りに読む必要は全くなく、あなたの喋りやすい言葉に変えてみましょう。するとより感情が入りやすくなります。
自分らしい朗読が出来たら、次はカラオケを流しながら同じように朗読をします。オケは流れているのですが、歌は歌わずに先ほどのように自分の言葉で朗読するのです。すると、オケがBGMのように盛り上げてくれるためより感情移入ができます。
最後に、実際の歌詞通りに歌ってみます。この段階に入る頃には歌詞の情景や場面、細かい感情の機微などが理解できているため、このレッスンを行う前とは別の曲のように聞こえているはずです。