2025/06/16
みなさんこんにちは!今から音楽を始めたい超・初心者のための新宿バンドサークル「おとかぞく」です。
今回はおとかぞくのドラムレッスンにおいて、特に体験レッスンや基本フレーズ以外の部分でどんなことをお教えしているか、詳しく解説させていただきます。
1.スティックの持ち方
ドラムだけでなく他の楽器はもちろん、スポーツの器具などにおいても「正しい持ち方」「フォーム」などを覚えることは非常に重要です。間違ったフォームや持ち方ではいくら練習しても上達することはないため、まず最初に正しいスティックの持ち方を習得しましょう。
持ち方自体はジャンルや奏法によって一概には言えないため、ここでは全てのフォームに共通する事項をご紹介させていただきます。
脱力する
どのような持ち方をするにしても、脱力はドラムにおいて最重要です。
力んで握り込んでしまうと、音が痛々しくなる、力む方が音が小さくなる、次の動作に入りにくい、跳ね返りを使えなくなる、スピードが落ちる、スタミナを浪費しやすいなどなど、とにかくデメリットだらけです。
演奏中にスティック同士が当たったりシンバルを空振りするとスティックを落としてしまうくらいブランブランの状態で持っておく方が、良いドラムプレイとなります。
跳ね返る通り道がある
ドラムスティックは「親指と人差し指で持つ」「親指と中指で持つ」「親指と薬指・小指で持つ」などのスタイルがありますが、全てに共通して言えるのは跳ね返る道を作っておくことです。
親指が真上を向いてしまったり、手の甲が真上を向いてしまうと、叩いた直後の跳ね返りを殺してしまうため、スピーディーなプレイができなくなってしまいます。
親指と人差し指の間の又を上に向けるようにすると、その道をスティックが跳ね返ってくることができます。
2.椅子の座り方
ドラムの椅子のことをスローンと呼びますが、座り方は演奏フォームに直結するため非常に重要です。
まずは一度座ってみて、膝の角度を見てみましょう。床(地面)に対して膝や太ももが水平(脛が直角に曲がっている状態)よりも多少下を向くようにしましょう。
膝や太ももが水平、または上を向いているようだと、足を持ち上げる時により大きな力が必要となり、スムーズな演奏の妨げとなります。
多少下を向いている状態だと自然に足の重さを下ろせるようになります。
人それぞれ多少の誤差はあると思いますので、色々試してみる中でご自身に合ったスローンの高さを調節できるようになってください。
3.スライドステップ
スライドステップとは、キックペダル上を前に向かって滑らせるように踏むことで、素早い2連打を演奏する技術です。
普通に考えると2打連続と踏もうと思ったら、
1.まず1打目を踏む
2.足を持ち上げる
3.次に2打目を踏む
という手順になってしまいますが、2番目の「足を持ち上げる」という動作を省略することで、より楽に素早く2連打を踏むことが可能となります。
やり方としては、まずは普段ペダルを踏む位置より少し下(後ろ)に足を準備し、いつもの位置まで前に向かって滑らせるイメージです。
この際、本当にフットボード上を滑らせるだけではもちろん2打目が生まれないので、バスケットボールのドリブルのように、足でフットペダルをドリブルするようなイメージです。
慣れてくると1回ペダルを踏む力または動作で2回踏めるようになってきます。
注意点:
スライドステップおよびその他2連打系の技術の注意点としましては、どうしても2打目が弱くなる、または2打目のリズムが速くなったり遅くなったりとコントロール不能になりやすいという点です。
これは誰しも最初にぶつかる壁なので、2打目に集中して練習を繰り返しましょう。
スライドステップがどうしても苦手な人は・・・
何度練習してもどうしてもスライドステップが苦手な人には、この他にも2連打を踏む奏法がありますのでお教えしております。
ヒールトゥ奏法:1打目は踵(かかと)、2打目は爪先で踏む奏法
トゥヒール奏法:1打目は爪先、2打目は踵(かかと)で踏む奏法
4.アップダウン奏法
アップダウン奏法をご説明する前に、ドラムにおける2つの構え方と4つの叩き方を御紹介します。
ドラムには2つの構え方がある
ハイポジション:まずは腕を大きく振り上げて高く構えるハイポジションです。どのパーツを叩くにしても叩きたい箇所よりも高く構えることを指します。
ローポジション:次に叩きたい箇所から1センチくらいしか離さず構えるローポジションです。少し手を下におろすと当たってしまうくらいの位置に構えます。
ドラムには4つの叩き方がある
先ほどご紹介した2つの構え方から、それぞれ2つずつの叩き方があるため、ドラムには合計4つの叩き方が存在します。
フルストローク:ハイポジションに構え、叩いた後ハイポジションに戻ってくる
ダウンストローク:ハイポジションに構え、叩いた後ローポジションまでしか戻さない。
アップストローク:ローポジションに構え、叩いた後ハイポジションまで戻す。
タップストローク:ローポジションに構え、叩いた後もローポジションまでしか戻さない。
アップダウン奏法とは
先ほどご説明した4つのストロークの中の「ダウンストローク」と「アップストローク」を交互に繰り返すことで、1往復の腕の動きで2打叩くことが可能となります。
1.まずはハイポジションからダウンストロークをします。
2.ダウンストロークはローポジションで終わっているはずなので、そこからアップストロークをします。
3.アップストロークはハイポジションで終わっているはずなので、そこからまたダウンストロークをします。
これを繰り返すと、ハイポジションから始まったストロークがもう一度ハイポジションに戻ってくるころには2回叩けていることになります。
アップダウン奏法のメリットと重要性
このアップダウン奏法が出来ないとドラム演奏に関して何も出来ないと言っても差し支えないくらい、重要な奏法です。
アップダウン奏法ができるようになると下記のようなメリットがあります。
・速いフレーズを叩けるようになる
・1往復で2打叩けるため、スタミナを消費しにくく疲れにくくなる
・1打目がダウンストローク(強)、2打目がアップストローク(弱)となるため強弱が生まれる
・ハイハットだけでなくあらゆるフレーズに応用できる
アップダウン奏法練習中の注意点とよくあるミス
1.ダウンストローク後に跳ね返りが大きすぎてハイポジションまで戻ってしまい、結局ダウンストロークを2回連続で叩く状態になってしまう。
2.アップストロークの際の「スティックを持ち上げることで叩く」という矛盾したような考え方が理解できず、やはり振り下ろしてしまう。
2.ダウンとアップの2つの動作を1セットで考えてしまうため、「ツツッ!ツツッ!」と2打ごとに間を入れてしまう。
5.太鼓の跳ね返り(バウンド)を使う
特にスピードの速いタム回しやハイハット演奏を行う際、跳ね返りを利用します。
前項「スライドステップ」と同様、一度叩いた腕をもう一度持ち上げるのではなく、その労力を省略するために跳ね返りを利用し、次の動作へとスムーズに繋げます。
多くの太鼓を移動しながら叩くタム回しなどの場合、特に初心者の方はスティックの振り(腕の振り)が小さくなってしまいがちです。これは「間違いなく次の太鼓を叩こう」との思いからそうなってしまうのですが、そのせいでさらに腕の力も入ってしまいます。
跳ね返りを上手く使うコツは、脱力した状態で振りは出来るだけ大きく、です。最初のうちは脱力をすることは難しいですし、振りを大きくすると叩きたい箇所からズレてしまったり、物理的に距離が遠くなるためリズムが遅れてしまったりしがちですが、慣れてくるとこの方が上手く叩けることが分かります。
最初は怖いかもしれませんが、スティックを握る力を極力抜いて、スティックの先端がご自身の肩を越えて後ろを向くくらいまで振り上げるように意識すると良いでしょう。
6.キック、スネア、ハイハットの3点の音量バランス
まず基礎知識として、キック、スネア、ハイハットはドラムの最重要パートとされ、基本の3点セットと呼ばれています。
おとかぞくのドラムレッスンで最初にお教えする8ビート、4ビート、16ビートなどはこの3点しか使用しないのですが、両手両足をバラバラに動かして叩くことに慣れてきたら、次はこの3つの音量バランスや重要性についてお教えしています。
例えば物の長さを測る定規(ものさし)には、0cm、1cmの目盛りが一番太く、その真ん中にある5mmの目盛りが次に太く、その間を細かく刻んでいる1mmの目盛りが最も小さく記されています。
ドラム3点セットの重要性や音量バランスはこの状態によく似ていて、最も小さく刻むのはハイハットなので、音量は最も小さくてOKです。
最も重要な目盛りとなっている部分はキック、その間を刻む次に重要な目盛りがスネアです。
つまり、重要性と音量バランスが大きいものから順に言うと、
1.キック
2.スネア
3.ハイハット
となります。
もちろん曲や場面によって例外もありますが、基本的にはキックが土台、スネアがアクセント、ハイハットはその間を刻む目盛りというイメージを持つと良いと思います。
日本人は右利きの方が多く、特に初心者の方は利き腕の右手ばかりが強くなってしまい、結果的にハイハットばかりが強く、キックやスネアが弱くなってしまいがちです。
各パーツの重要性を理解し正しいバランスで叩けるようになると、リズムが全体的に締まってタイトなドラムに聞こえるようになります。